家づくり

北道路って実は素晴らしい!南道路神話だけじゃない、土地の選び方

     
北側道路に面した家

住宅を建てようと土地を探し始めると、南道路の土地と北道路の土地にかなりの価格差があることを感じませんか?

日本では南道路神話が根強く、住宅地一帯が売りに出されると、南側だけずらっと一列家が建っていきます。そのあと、北道路の土地がぽつぽつと埋まりますが、売れ残って空き地になることもあります。

このことからも南道路の土地の人気具合がわかりますね。では人気の薄い北道路の土地は、本当にそんなに悲しい土地なのでしょうか。南道路のメリット・デメリットと合わせて考えてみましょう。
住宅地に家を建てようと思っている方はこちらも併せて読んでみて下さい。

南道路のメリット

北道路

南道路のメリットは、先ほども出てきましたが、一つ目は、なんといっても日当たりを確保できるところでしょう。

狭めの幅4m道路に接続しているとしても、最低4m+自分の家の南庭分は日当たりに有効な隣地との距離を確保できるわけです。北道路との価格差の分、何十年と日光を確保できるのであれば、その差額は安いものかもしれません。

二つ目は、かっこいい家の顔が作れるという点です。あなたは家の形を思い浮かべるときにどんな家をイメージしますか?大きな窓があったり、バルコニーがついていたりしませんか?一般的には南面に大きな窓やバルコニーを設け、北面には水廻りや換気用の小さ目の窓を配置することが多く、その意味では北面は凹凸が少なくのっぺりとした印象の外観になりやすいのです。(もちろん実際北道路に建てる際は、のっぺりした印象にならないように庇や外構を工夫しますが、多少費用は掛かります)

道路に面した外観(=ファサード)が、大きな窓やバルコニーのある豪華な雰囲気につくれるのも南道路のメリットです。(まぁ、その豪華な雰囲気は必要ない!という潔い考えの方も最近は増えてきているようですね!)

南道路のデメリット

北道路

一つ目は、プライバシーの問題です。道行く人から家のリビングやダイニングでくつろぐ様子が丸見えになってしまいます。

日曜の朝にリビングでゴロゴロ。これ最高だと思うんですが、それも犬の散歩のおじさんに見られて目が合ってしまっては、気持ち良い休日の朝もげんなりしちゃいます。そのために、南道路の家はレースのカーテンやブラインドを閉めっぱなしにしているお宅が多いようです。せっかく日当たりもよく、夢の一軒家を購入したのにずっとカーテン閉めっぱなしなんて、悲しすぎる・・・バルコニーに干した洗濯物などが丸見えになってしまうというのも、主婦にとっては頭を悩ませるひとつかもしれません。

二つ目は、リビングからの景色が、駐車場の車を眺める形になりやすい、ということです。

車愛好家の方ならうれしいかもしれませんが、一般の方にとって、自動車を見ながらくつろぐというのはあまり気持ちのいいものではありません。なおかつ、アルミのカーポートなどをつけている場合ですと、さらにリビングからの景観が損なわれてしまいます。カーポートは雨の日や特に冬場の雪の日などにはとてもありがたい設備ですが、やはりリビングからは緑の木々や、芝生の庭や、透き通る海、青い空など自然を目にする暮らしが理想的です。

自分たちの価値観に合わせて、便利さと気持ちよさ、バランスを保ちながら優先順位をつけていくことが必要になります。暮らし方について、こちらで触れていますので、参考にしてみて下さい。

北道路だからこそプライベートを満喫できる。カーテンのいらない暮らし

北道路のおうちにとって、南側の庭は、南東西と三方を隣家に囲まれた閉鎖的な空間になります。

しかし、これは裏を返せば、道路からは見えない完璧なプライベート空間にもなりうるということです!南側の家は北側斜線という規制がありますので、住宅地などの第一種低層地域では北面の壁をあまり高くすることができません。これは北道路の家にもしっかりと日光が届くように、南側の家の高さに制限をかける規制です。南側の家の高さに制限があれば、北道路の家にも2階であれば十分な日光が入ります。

ということは北道路、二階リビングの家は光も入り、プライバシーを守れる最強の暮らしができるかもしれません。南下がりのひな壇上の宅地や、南側の住宅が平屋の場合は1階リビングでも可能です。二階リビングは、南側の家の屋根越しにでっかい空を独り占めできたり、室内を勾配天井にして開放感のある高さを演出できたりとうれしいこともたくさんあります。

二階リビングから続くデッキを設ければ、プライベートなアウトドアリビングも作れて、よりリラックスした時間を味わえることでしょう。

二階のリビングからデッキへ

北玄関で南面に広いLDK

南道路の家の場合は南に駐車場をつくり、南面の玄関から入る間取りになることが多いのですが、あまり大きくない住宅の場合、南面の明るい空間を、玄関よりもLDKや和室などのメインスペースにあてたいと思う方が多いのではないでしょうか。

北道路の場合だと、北の駐車場から、北側の玄関を配置することが多く、必然的に南面を居室に充てることができます。この場合も北側の玄関の暗さがネックになることが多いのですが、ハイサイドに窓を設けたり、天窓を使用したり、玄関の先に坪庭を設けてそこから光と緑が見えるように配置するなど、設計でいくらでも工夫ができます。

最近は玄関にシュークローゼットを設けたり、お客様用とは別にファミリー玄関を設けたりと、玄関に割くスペースが広くなってきていますが、これだけの面積を南面に取ってしまうと、LDKなどのメインスペースの配置が難しくなってしまいます。北側にユーティリティーと言われるこれらのスペースを余裕をもって配置することで、毎日の生活がより快適にできるかもしれません。

ユーティリティスペース

北庭の美しさ

北道路の場合、北側が家の顔になりますので、外構や植栽などで前庭を作っていきます。このとき、北東や北西の自分の家の陰にならない場所に、小さくてもいいので植栽を彩った緑の庭を作り、家の中からその庭が見えるような窓を設けてあげます。

先ほど書いたように、玄関から見えるのも素敵だし、お風呂の窓から美しい坪庭が見えるのも露天風呂気分で気持ちがいいですね。道路のお向かいのお庭が美しければ、それを切り取るような窓を設けるのもアリです。

樹々や植物たちには正面と裏面があります。一般的に植物は光合成を促すために太陽に向かって葉を広げるので南側が表の顔になります。そのため南側の家の中から、北庭にある植物を見ると、植物の正面が見ることができるのです。順光という太陽の直接の光を葉や花にいっぱいにあびてキラキラと輝く緑は、北庭だからこそ味わえる、自然からの素晴らしい贈り物です。日本のお寺や海外の古い住宅などにも、この北庭の美学を持つ建物が多く残っています。日本の木造建築の素晴らしさについては、こちらで熱く語っているのでぜひ併せて読んでみて下さい。

仁和寺御殿・宸殿の北側の庭
仁和寺御殿・宸殿の北側の庭

設計の腕の力の見せどころ

以上のように、北道路の土地にはマイナスをプラスにも変えられるようなメリットがたくさんあります。この北道路の土地の良さを引き出すためには、設計士の腕の力が試されます。風の通る道、光の刺し方、お隣の緑の借景・・・その土地ごとのポテンシャルを最大限に引き出す設計を施せば、南道路の土地よりも居心地良く、気持ちのいい家になる道が開けます!土地の価格が少し安くなった分、設計や建物にお金をかけることを考えてみてはいかがでしょうか。

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デザインリフォーム

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