家づくり

西向きリビングに技あり!毎日を彩るSunset House

     
西向きリビング

美しい夕日を眺めながら家族でゆったり過ごす…Hさんご家族はイメージ通りの家だけではなく、至福のひとときも手に入れることができた。

さまざまなハウスメーカーや工務店に相談する中、出会ったのが建築家の富田健太郎さん。敷地は西に美しい眺望が広がるが、大きな窓をとれば西日が気になる…。それでも居心地と眺望を両立した、固定概念にとらわれない富田さんの家づくりとは?

「タブー」を克服! 夕日を眺める大きな西窓

「敷地を見てまず、『この眺望は生かしたい!』と思いましたね」

閑静な住宅街の丘の上にあるHさんの敷地は南北にのびた長方形。南と西が隣地より高く、首都圏の住宅街とは思えないほど見晴らしがよい好立地だった。

「日によって空の表情が全く違い、特に夕方から日の入りまでは自然の芸術的な色の変化を身体全体で感じることができる場所でした」

そこで富田さんは1階に寝室や子供部屋を設け、隣家の屋根より上に位置し、遠くを見渡せる2階にLDKなどの主な生活空間を配置した。

西向きリビング

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注目はLDKの窓のとり方である。富田さんは南北に長い敷地を生かして、西面を大胆に開口したのだ。たしかに間口の狭い南面より眺望が開けて夕日が映えるのは間違いない。しかし、強い西日が大量に入る窓は避けるのが一般的。Hさんはどうだったのだろう?

「さまざまな工務店に図面を依頼した中、西向きの大窓を提案してくださったのは富田さんだけでした。迷いがなかったとは言いませんが、希望していた広いベランダもあり、妻は料理しながら景色が見ることができる。なにより、私たちもこの敷地を選んだのは景色の良さが決めてでしたから」

西向きリビング

富田さんは西日対策として熱を吸収・反射するガラス(Low-eガラス)を選び、バーチカルブラインドを設置した。縦に分割されているバーチカルブラインドは、西の水平な太陽光を抑えながらも目線は通してくれるので眺望を邪魔することがない。

「西の窓をあきらめるという選択肢は僕の中にはなかったですね。最近のサッシは性能も上がっていますし、工夫次第で西日の暑さ、まぶしさについてはクリア可能と考えました。なにより、この眺望の恩恵を受けないなんてもったいと思うんです。実は1階とのギャップという狙いもありました」

西向きリビング

富田さんの言う通り、1階はプライベートな部屋がメインのため、玄関に入ると落ち着いた「閉じた空間」という印象を受ける。それが2階に上がると、明るいリビングとその先の開けた眺望が目に飛び込んでくるのだ。この視覚効果はなんともドラマチックである。

「来客のかたが2階に上がるとびっくりするんですよ。『うわー! すごいね』 『いいなぁ!』って、みんなが言ってくれます。その反応が正直うれしいですね」

Hさんの話を聞くと視覚効果はてきめんのようだ。照れたような、それでいて誇らしげな表情が家への愛着をうかがわせる。

実際のところ、西日についてはどうなのだろうか?

「明るくて風通しもいいので気にならないですよ。西の窓については『夕日がとってもキレイ!』の一言につきます。時間帯で徐々に色合いが変わって、毎日見ても飽きません。以前住んでいた都内のマンションでは経験がなかった、空を眺める時間ができました」

終始にこやかだった奥様が夕日について語るときには、はじけるような笑顔を浮かべて熱心に語ってくれた。

西向きリビング

家で過ごす際はご家族みんなで2階に集うという。広いベランダでお子さんと遊び、日が暮れるころには部屋の中で夕日を眺めてゆったりとくつろぐ。首都圏にいながらこの日常が得られるのは西窓の効果が大きいだろう。富田さんの固定概念にとらわれない大胆な着想は大成功だったようだ。

メリハリで予算内に! 洗練された空間づくり

「似たような量産型ではなく、暮らしていて楽しくなるような家に住みたい。建てるなら木と白を基調としたシンプルな家と考えていました。ただ、建てたい家のイメージを考えると予算を超えることは覚悟していました」

Hさんの奥様はイメージとして好みの家の写真をそろえて、さまざまな工務店に希望を伝えたそうだ。その中で富田さんの提案はデザインもコスト面も素晴らしいものだった。

西向きリビング

「写真通りの家ならご満足いただけるわけではありません。まずは写真から施主様の外せないこだわりを見出しました。後はその土地にそぐう外観と部屋の機能面などを考慮してデザインを詰めていったんです。コストは充てる・抑えるのメリハリをつけながら家のバランスを整えれば、予算内で高級感を損なわずに洗練された家をつくることができます」

では、充てる・抑えるのメリハリはどんな部分で生かされているのだろうか?

まず、奥様こだわりのキッチン背面にある大きな収納棚。開放的なLDKで大きな面積を占める引き戸は目を引く存在だ。そのため、シナ合板を自然塗装で仕上げ木目を生かした特注の引き戸を使用した。

西向きリビング

外壁はモルタルの上からローラーで塗装されている。吹き付け塗装に比べて手間がかかるが、塗り面がなめらかになるのでカビや汚れが付きにくい。白い家というHさんのイメージを大切に守っていることがうかがえる。

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空間の印象を左右する床は木の風合い豊かなアルダーの無垢材。一方、リビング天井はフシのあるラーチ合板(針葉樹合板)という構造材で決して高価ではないが、大きな白木の戸やなめらかな白い壁との対比ができ、デザイン的にも良いアクセントになっている。

西向きリビング

さらに富田さんは細部のバランスまで考慮した。片流れ屋根のH邸は、外観はもちろん内部から見上げた際のプロポーションにもこだわり、勾配の角度が調節されている。

「屋根は大きさなどを考慮して、家ごとに勾配の角度を考えます。また、窓やドアの枠など壁との境目に設ける固定枠はすべて15mm幅でそろえました。これより細いと貧弱だし、太いと野暮ったくなってしまう…この幅が一番キレイに見えると思っています」

結果的にHさんご家族は量産型の家よりもコストを抑えてイメージ通りの家を建てることができたそうだ。施主の希望をしっかり受け取りながら不必要なものは除いていく。そんな富田さんの取捨選択のバランス力がH邸の実現に一役買ったのだろう。奥様の希望通り木の風合いと白に彩られたH邸は、外観はもちろん個々の部屋までシンプルで質の良さを感じさせる。

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転載元:http://www.klasic.jp/

 

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