日の当たるリビングでいつも自然を感じていたい。日射しや風は入りながらもプライバシーの守られた家を実現したのは中庭でした。中庭を活かしたシンプルな家はHさんご夫婦の感性に響くものがありました。
いつも自然を感じて、オープンでいられる家
アパレル業界に身を置くHさんご夫婦は結婚して数年経ち、そろそろ腰を落ち着けようと家を建てることにした。夫婦とも日本で一二を争う本物志向のセレクトショップに勤めていて、インテリアの雰囲気や素材感など、好みが似ているお二人。自分たちの持つ世界観が反映され、生活機能も充実した住まいを求めて、建築家との家づくりを決めた。
Hさんご夫婦は建築家の紹介サービスを利用し、コンペ候補者の一人として佐藤さんに出会った。経験豊富な建築家が要望を受けて提案したのは、中庭を中心としたプラン。敷地は住宅地で周囲を隣家に囲まれていたが、中庭なら外からの視線を気にせず、景色や戸外の空気を存分に楽しめる。全体に高さを抑えた家の中には夕暮れまで日が入り、普段の生活は自然光だけで充分だ。家事動線も機能的で、心地よく暮らせるイメージが模型からもプレゼンテーションからも想像できた。
ご主人はサーフィンが好きで、千葉の海沿いに暮らしていた頃は頻繁に海に出かけていた。埼玉に引っ越すと海からは離れてしまうけれども、この家なら波の代わりに光や風を常に感じていられる。「風向きや日当りなど、自然のエネルギーを最大限に活かすことは常に考えています」という佐藤さんの提案はHさんの心を掴んだ。最初の提案からこの家に住みたいと思えたので、ほぼ変更することもなかったという。
植栽も提案の段階から、既に検討されていた。佐藤さんは戸外との関係も含めて家と捉えており、植栽も早い段階から考えるのだ。最初のプレゼンテーションに使われた模型をみると確かにかたちの違う緑のミニチュアがあり、その時点で何の木を植えるのかが分かるようになっていた。ランドスケープデザイナーとの協力で、Hさん夫婦に合わせてデザインしたという。
シンボルツリーに選んだのは赤い小さな実をつけるジューンベリー。甘くてそのまま食べられる実は野鳥の大好物でもある。中庭に植える場合、葉が落ちる樹種は好きずきだが、自然を愛するご主人は緑の手入れも厭わない。水やり、芝刈りともご主人の担当だ。最近では芝刈り機を買い、庭の変化を楽しみにしているという。
新居の完成を追いかけるようにして、お子さんも誕生した。日の光や風、緑を感じられる家は新しい家族にもきっと満足してもらえることだろう。
素材の変化を味わい、愛着のもてる家に育てる
エアコンの冷風よりも自然の風。機能やコスト重視の新建材よりも、経年変化で味わいがでてくる天然素材。一貫して自然なものを求めるHさんは床や壁、建具にもこだわりがあった。リビングの木サッシと床のタイルは何をおいても優先したかったポイントだという。梁やサッシ、持っていた家具との調和を考え、床にはタイルを使ってシャープで洗練された印象を持たせた。
家と家具をトータルで考えたからこそ実現できたインテリアも多い。「キッチンの壁は1階だったので、基礎からつなげてコンクリートにすることができました」と佐藤さん。「家具も作り付けにした部分があります。シンプルな棚や照明は大工工事で費用も抑えました」と話す。オープンな収納はモノのしまい方にも工夫が必要だが、これから奥さまが考えるという。
美しく住まうための手間は惜しまないHさんご夫婦。こだわってつくった家には手を入れて大事に育てていく楽しみもあるのだということを既に知っていたのかもしれない。
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転載元:http://www.klasic.jp/
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