2020/11/24

【後編】断熱リフォームにはどんな種類があるの?~壁・天井の断熱編~

2回にわたって紹介していく断熱のリフォーム。

前編はコチラから→【前編】断熱リフォームにはどんな種類があるの?~床の断熱編~

後編の今回は、リフォームをすることで家全体の断熱性能を高めてくれる壁や天井の断熱についてご紹介していきたいと思います。

壁・天井の断熱リフォームにも力を入れましょう!

前回は床の断熱材についてご紹介しましたが、家全体の断熱性能をより高めるためには壁や天井の断熱についても知っておくことをおすすめします。

床の断熱リフォームにも共通して言えることですが、断熱材はただ使えばいいかというと、決してそうではありません。
断熱材の性能の良さはもちろん大事ですが、それと同時にリフォーム方法、とくに家全体を断熱の層ですっぽり覆うことがとても重要です。

室内がいくら快適な温度になったとしても、ちょっとした隙間や空気の出入りができる箇所があると、その箇所から寒い外の空気、もしくは暑い空気が室内に入ってきてしまうようになります。
それに加え、室内の快適な気温が逃げてしまうようになってしまうのです。

それでは、床の断熱材と同様に、壁・天井に実際に使用されている一般的な断熱材をご紹介していきます。


<エコで低コスト「グラスウール」>

繊維系の断熱材で、原料はガラスです。細いガラス繊維が複雑に絡み合った構造になっていて、その間に無数の空気を閉じ込め層を構成し、優れた断熱性能を発揮するという仕組みになっています。リサイクルガラスを使用し、一度使用したものでも繰り返し利用できるため、グラスウールは環境保護やゴミの減量に役立つ環境性能の高さにおいても有名な断熱材です。ガラスという無機質素材が原料であるため、経年変化、温度変化による収縮なども少なく、耐久性の高さにも優れている特徴があります。ただし、水に弱く、湿気を含んでしまうと形がつぶれ空気層が薄くなり、断熱性能は発揮できないので、しっかりと正しい施工を行わなけばなりません。

<水にも強い「ロックウール」>

鉄鉱石から鉄分を抜いた、高炉スラグと呼ばれる岩石状の製鉄副産物を主な原料としている断熱材です。つまり岩石の繊維で作られている断熱材なんです。古くから日本の建築物の断熱に保温、防火や耐火材としても使用され、歴史的にも古く信頼性の高い材料なのです。無機質の繊維を綿状にして使っている点では、グラスウールとほとんど同じです。異なる特性としては、ロックウールは水に強いということ。水に濡れても水をはじき出せるため、形を保ち空気層をつぶすことなく、変わらず断熱性能を発揮してくれます。水に強く、耐火性も高い分、グラスウールよりも金額が高くなることが多いので、コスト重視でリフォームをご検討されている方には先に紹介したグラスウールのほうがオススメかもしれません。

<進化版グラスウール「アクリアマット」>

最近ではCMなどでも広告されているアクリアは、朝日ファイバーグラスの断熱材の商品名です。アクリアは高性能グラスウールで、一般のグラスウールと比較すると、繊維が細かく本数が多いので、同じ厚みでも高い断熱性能を発揮してくれます。耐久性も高く、防湿フィルムという湿気を防止してくれるシートが備わっているので、防湿性能にも優れた断熱材です。また施工もしやすい造りになっているため、今注目されている断熱材でもあります。

<メリットだらけ!壁や床にマルチに活躍「吹き付け断熱」>

吹付断熱とは、家の柱や梁、大引きなどの構造体が完成した段階で、霧状の断熱材を直接構造体に吹き付ける、“現場吹き付け発泡タイプ”の断熱材です。窓や筋交い周辺といった細かい部分にも隙間なく吹き付けることができ、高い気密性を実現できる利点があります。床にも壁にも使用することができ、他の断熱材料にはない接着力のおかげで、柱や梁との間に隙間ができにくく、湿気も遮断してくれるとっても優秀な断熱材です。壁内結露やカビの発生をおさえ、建物を永く大切に使うことが出来ます。また、吹付断熱は、床の張替え、改修工事をせずに断熱工事をしたいという家に特にオススメです。なぜかと言うと、床下点検口さえあれば、大きな工事はせずとも、点検口から床下に潜ってもらい吹付断熱のリフォームができるからです。1点デメリットがあるとすれば、グラスウールやロックウールなどの繊維系断熱材よりも金額が高いので、コストを抑えたい方は要注意かもしれません。


床・壁・天井の中身というのは、住んでしまえば普段の生活で直接目には見ないところ。目に見えないからこそ、こだわり、安心できるよう、自身が納得する性能の断熱材を選ぶことが断熱リフォームをする上ではとても大切です!

その他の断熱リフォーム

ここまでは部位別に断熱材の種類や性能などをご紹介してきました。
ここまで読んでいただいて分かる通り、断熱材をしっかり入れることができれば、気密性・断熱性が高まることは理解できたかと思います。

しかし断熱材は自発的に熱を発するものではありません。
そこで、断熱材をしっかり入れた家をさらに快適にする商品をご紹介します。

<足元からぽかぽか「床暖房」>

熱の伝わり方は大きく分けると3つ存在します。ファンヒータやエアコンなど気体の動きで空気が温まる「対流熱」、ホットカーペットや電気毛布のように接触によって温まる「伝導熱」、そして太陽のように熱線(遠赤外線)によって熱を発する「放射熱」。床暖房というのは、この3つの熱の伝え方を利用したものです。床暖房では、設置した部屋の床表面から天井まで温度がほぼ一定になるため、足元が寒く顔が熱るような不快感がなく、足元あったかで頭スッキリの状態が保てます。また火を使わない暖房のため、空気が綺麗で安心な暖房器具なのです。


<真冬のバスタイムも快適に「浴室暖房乾燥機」>

名前の通り、浴室の換気扇に暖房機能と乾燥機機能が備わっているものです。入浴前に浴室内を暖めてからお風呂に入れるので、とても快適に入浴することができる優れものです。また乾燥機としても活用できるので、留守中や悪天候の中でも洗濯物を干し乾かせるというメリットがあります。システムバスのリフォームを検討されている方は一緒にリフォームしたり、通常の換気扇から浴室暖房乾燥機に替えるだけのリフォーム工事もできるので、興味がある方はぜひ、近くのリフォーム会社に相談してみてくださいね。

<洗面所もぽかぽかあったか「洗面室暖房機」と「壁パネルヒーター」>

肌を晒すのは浴室だけではありません。浴室に入る前の洗面所も、暖かい空間であれば冬の寒い時期でも安心して入浴することができますよね。浴室と洗面所の暖房換気扇とのセットなら、身支度から入浴まであたたか。また、壁に取り付けるパネルのようなツルツルとしたヒーターなどもあります。身体に優しい輻射熱で空気をあたため、洗面所の寒さを和らげてくれる商品です。床に置くタイプのファンヒーターなどとは違い、限られたスペースを広く使うことができます。またオプションによってはバスタオルやバスマットなども掛けられるため、スペースにゆとりが持てそうですよね。


他にもお家時間を快適に過ごすための商品はいろいろ!
少しでも関心がある方は、今お持ちの悩みをリフォームのプロに相談して、改善できるような商品をピックアップしてもらいましょう!

断熱リフォームで、おうち時間を癒しの時間へ

ここまで、おうち時間を快適に過ごせるよう、断熱工事や断熱材に関してご紹介してきましたが、いかがでしたか?

家づくりというと、デザインや間取り、内装や住設機器の機能ばかりに意識が向きがち。
しかし、実際住み始めると「あぁ、こうしておけばよかった…」と後悔されるほとんどが、断熱などの目に見えない部分なんです。

“住みやすい家”というのは、ご家庭によって様々な定義があるかと思います。
間取りなどの動線効率がいい家、自分の好みのテイストの家等々…

今回は、意識をせずとも健康的で快適に過ごすことができる家という視点から、断熱工事・断熱材についてお話ししてきました。
今の状況よりも、もっと快適にするための手段の一つが、断熱性能を高める断熱リフォーム工事だと思います。

大事な我が家で過ごされる時間が、今よりも快適で過ごしやすくなるよう、そして大事な住まいがより憩いの場所になるよう、この記事が少しでも役に立てれば幸いです。